厚生労働省から平成30年 国民生活基礎調査の概況が公表されています。
いくつか興味深い結果がでています。
その1つが、高齢者世帯の世帯構造の中で単独世帯が48.6%と約半数の方々が一人で日常生活を送っているという現状です。また、75歳以上の単独世帯の年齢構成において男性は42.4%、女性は63.8%ということです。
75歳以上になると要介護認定比率が一気に高くなるということはよく知られており、今もっている生活・自立機能を落とさせない工夫がその後の暮らしにとても大きな影響を与えます。ひと・社会との関係を自らもち続けることを行わなければ、一人暮らしであるということ自体がリスクということができます。
TRAPEは「well-beingな日常」の真逆を「孤立・孤独」だと思っています。
そして、孤立・孤独という状況はコミュニティをもたないことで「孤立」し、そしてコミュニティの中で何かしら固有の役割をもたない結果によって「孤独」は生まれてしまうのだと思っています。
これからの時代のwell-beingな日常を形作るのは個人だけでなく、そのまわりの環境も大きな影響を与える存在となります。孤立・孤独状態となってしまわぬ環境づくりが重要です。孤立・孤独は予防できる、と考えたいです。
もう1つ興味深い報告がされていました。
各種世帯の生活意識で「大変苦しい」「やや苦しい」「普通」「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」について聞いています。
「大変苦しい」について高齢者世帯2018年 22.0%(2017年 22.0%)、児童のいる世帯27.4%(25.1%)。「やや苦しい」について高齢者世帯33.1%(32.2%)、児童のいる世帯34.6%(33.6%)となっています。
「大変苦しい」「やや苦しい」を合わせたものでみると高齢者世帯55.1%(54.2%)、児童のいる世帯62.1%(58.7%)と非常に苦しい現状がみてとれます。2017年に比べるといずれの数字も悪化しています。
そんな中、我が国における社会保障制度は、いまだに高度経済成長期を支えたときの「多くの現役世代が少ない高齢者を支える」、つまりyoung supporting oldのままとなっています。
我々は、未来の子どもたちが日本の将来に可能性を感じることを目指して、今何をすべきかを考え、行動する使命があるのではないでしょうか。
そのために、上述した「孤立・孤独」もそうですが、all supporting allな、ひとそれぞれの強みをかけ合わせ、ひととひと・ひとと社会が関係性をもちすべての世代で「頼り合う社会」づくりが重要だと思います。
情報元:
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa18/index.html