対話を通した業務改善と人づくりをオンラインで伴走支援する「ソシウェル」を展開する株式会社TRAPE(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:鎌田大啓)は、静岡県と連携してモデル介護事業所に対する業務改善の支援を3法人3事業所(1法人1事業所)において実施しました。
3事業所における取り組み後の成果(一部)
- 上司・同僚との間で業務について対話ができている方 :13%増加 (取組前 80% ➡︎ 取組後 93%)
- 介護助手において行うべき業務を自己判断できる方 :25%増加 (取組前 75% ➡︎ 取組後 100%)
- 働きがい(ワークエンゲージメント) :15%増加
- 自分の仕事に誇りを感じている方 :22%増加 (取組前 74% ➡︎ 取組後 95%)
3事業所の職員からの声
- 仕事の住み分けがはっきり見えてきたことで、依頼しやすかったり、ワーカーの動きも無駄がなくなった気がする
- 今まで心に余裕が持てなかったが、今は持てるようになった
- 落ち着いて介助に入ることができるようになった
- 何気なくしていた業務がマニュアル化され明確になったので、取り組みやすくなった
- 利用者1人1人に使う時間量が増え、以前より丁寧な対応がすることが出来た
- 自分の業務に関して「自分がやった方が早い、自分がやった方が正確だ」と心のどこかで思ってしまっている時もあったが、仕組みを作った上で、任せられる業務は他職員にも任せる事で、自分自身の負担軽減や相手のやりがいにも繋がるのだと実感した
- 今回の取り組みのように、リーダー層が仕組みづくりに関わり、職員に伝え、具体的に実行することを繰り返していくことにより、職場全体の変化を促す可能性があることを実感した
経営者からの声
- 業務改善は簡単にできそうだが、自分たちでなかなかうまくいかないため、今回伴走支援を受けて成功体験を得られたことは今後につながると考えている
- 今回の事業が日常業務においてメンバーが互いに影響し合うことがよい仕事やケアの質の確保につながる第一歩となったと思う
- 今までできそうでできなかった、現場職員との対話を重ねながら取り組む風土が生まれたことに驚いている
- 本事業を通して、介護の担い手として職員の自覚と責任感をより強くもつことにつながったと思う
- 事業所の課題は把握しているが、実際に自分達で改善を行うには壁があった。だから今回の応募は改善のきっかけになることを期待していた。そして伴走支援を受け、職員の意識向上や成果の向上を達成できたと思う。ただ、この温度感を維持しつつ取り組みを続けることが重要なので、まだ少し不安がある。
- 今回、業務改善の中で、利用者にもっといいケアを届けたいという声が出て、そのアクションを取れたことは大きな成果だと思っている
- セミナーで「準備は8割」と聞いていたが、実際の業務改善でもPDCAのPである「プラン」のところに時間をかけた。職員とじっくり話をし、「ここだね」というところに時間をかけたことが成功の鍵だと思った
- 取り組んだ部署は一定の成果が出たので、今後は他部署で横展開をしていきたいと思っている
令和4年度 静岡県 介護事業所業務革新推進事業ダイジェスト動画
令和4年度 静岡県 介護事業所業務革新推進事業について
静岡県が今回実施した「介護事業所業務革新推進事業」は、都道府県として、以下の大きな国の流れに対して取り組んだという点で先進的な取り組みと言えます。
近年、超少子高齢社会の影響で介護人材不足が顕著化し、介護事業所の経営状況も厳しさを増しています。こうした状況下で、外部環境の急速な変化に柔軟に対応できる介護事業所の組織づくりが重要視され、介護職員の負担軽減や介護業務の効率化を進め、介護現場の生産性向上により、職員の職場定着を推進する取り組みが注目されています。
厚生労働省は、全都道府県に介護現場の業務改善と人材確保を一体的に進める「介護生産性向上総合相談センター」を新設し、来年度から数年かけて整備する予定です。こうした超少子高齢社会の中で、地域のアセット(資産)である介護事業所が生産性を高め、新たな高齢期の生き方を提案する役割が期待されています。そのため、都道府県のサポート体制にも注目が集まっています。
事業概要
伴走支援させていただいたモデル事業所
社会福祉法人七恵会 特別養護老人ホーム 浜松中央長上苑
社会福祉法人梓友会 特別養護老人ホーム みくらの里
社会福祉法人八生会 特定施設入居者生活介護 あんしんの里
株式会社TRAPEが行った支援内容
- モデル事業所への業務改善活動に関する伴走支援(Sociwellメソッド活用)
・業務改善
・介護サポーターが担う業務整理
・業務改善のための業務オペレーションの作成と実践 など - 成果報告会の開催
- 報告書作成
静岡県からのコメント
静岡県では、団塊の世代が75歳以上となる2025(令和7)年には、約63,000人の介護職員が必要と推計されていますが、その時点で供給可能な介護職員数とは約5,800人の差が生じており、更なる介護職員の確保が必要となります。
人材の確保・定着にあたっては、新規就業や介護の仕事の理解の促進等に加えて、介護職場の生産性の向上を推進し、職員の身体的、精神的な負担の軽減を図り、働きやすい職場づくりを進める必要がありますが、その一方で、多くの介護事業所では、業務革新の方法や効果がわからず、取組に踏み出せない状況にあります。
こうした中、本県では、令和4年度から、介護業務の切り分けなど、効率的な働き方モデルの構築を目的とする、介護事業所業務革新推進事業に取り組んでいます。
令和4年度は、県内の3つのモデル事業所を舞台として、介護に関する業務を「直接的なケア」と「間接業務」に分け、専門職と介護サポーターが担う業務を明確化し、実践する取組を支援しました。
各モデル事業所では、職員間の対話に多くの時間を費やし、その中で業務毎の基準・ルールを定め、介護職と介護サポータ-の役割を明確にした手順書を作成して、1週間改善活動を行いました。その結果、職員間の役割が明確化されていないことへの不安感などが10%減少しました。
また、職員の相互理解により人間関係も改善され、普段は日々の業務に追われ「とにかく忙しい」と感じていた現場で、気持ちの余裕が生まれ、介護の仕事の本質である利用者と向き合う時間が、1ユニットあたり1週間で約30分生まれるという成果も生まれました。
令和5年度は、令和4年度の取組成果を県内介護事業所に広く普及していくとともに、ICT機器や介護ロボットの活用等により業務改善を行いたいと考えている介護事業所に対して、効果的な支援を行っていきたいと考えています。
こうした本県の取組により、介護事業所の職場環境の改善やサービスの質の向上、ひいては事業所で働かれている介護職員の皆様の仕事のやりがいにつながり、活き活きとした職員の姿・行動が職場に還元される。これこそが介護分野の良いサイクルを生む「生産性向上」であると考え、事業を通じて介護事業所を支援していきたいと考えています。
都道府県・市町村の担当者の皆様へ
株式会社TRAPEは、2017年の介護業界において生産性向上という言葉が用いられた黎明期から、以下の活動を行ってきました。
- 厚生労働省の事業所向け「生産性向上ガイドライン」と自治体向け「生産性向上ガイドライン」の作成に深く関わりました。
- 厚生労働省主催の全国セミナーを3年連続で開催してきました。
- 2019年に日本で初めての地域版介護現場革新会議において熊本県と連携し、事務局運営、プロジェクト全体のグランドデザイン、実際の施設に対する伴走支援の実施など、オールインワンで成果を生み出してきました。
- 関わりの中で、2,000を超える介護事業所の経営者やミドルリーダーの思いに耳を傾け、対話を重ねてきました。
- 多くの施設サービスから在宅サービスまで、介護事業所の伴走支援を実施し、その取り組みの結果として、生産性向上、働きがいの向上、自律的な人材育成の3つを常に同時に生み出してきました。
- 弊社代表鎌田は、「生産性向上ガイドライン作成」や「介護生産性向上総合相談センター」をはじめとする厚生労働省における生産性向上に関するさまざまな委員会に委員として深く関わってきました。
株式会社TRAPE(トラピ)について
代表:鎌⽥⼤啓
本社:⼤阪市淀川区⻄中島5-11-9 新⼤阪中⾥ビル3F
URL:https://trape.jp/
設⽴:2015年9⽉
事業内容:
・対話を通した業務改善と人づくりをオンラインで伴走支援する 「Sociwell ソシウェル」
・組織の枠を超えて経営者が対話し合い知見をシェアできる会員制コミュニティ「介護経営者クラブ」
・介護専⾨職向け⾃⽴⽀援⼈材開発 「Club TRAPE リエイブルメント」
・高齢者支援セクション安心して頼れる一気通関の事業パートナー「厚生労働省・自治体関連事業」
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株式会社TRAPE 広報担当 宛
E-mail:info@trape.jp