~対話とチームづくりがテクノロジー活用を加速させ、介護現場の新たな可能性を切り拓く~
2017年から国の生産性向上における施策づくりに関わり介護分野の変革をリードしてきた株式会社TRAPE(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:鎌田大啓)は、現場の業務改善やDXに不可欠な「チームづくり」を支援する無料ツール「生産性向上くん®」や、伴走支援サービス「Sociwell(ソシウェル)」を展開しています。
この度、TRAPEは「令和7年度 山梨県 介護生産性向上総合相談窓口事業」を受託。セミナー開催や技術助言に加え、モデル事業所への伴走支援を実施しました。
なぜ介護現場に生産性向上の取組みが必要なのか
介護現場では、人材不足や過度な多忙化により、利用者と向き合う時間の確保が難しくなっています。山梨県内でも同様の課題があり、テクノロジーと効果的に向き合いながら、現場の「ありたい姿」を実現する取組が求められています。
弊社は、山梨県介護生産性向上総合相談センターの業務アドバイザーとして、相談対応支援や研修講師、モデル事業所への伴走支援、革新会議への参画などを担ってきました。
モデル事業所の成果(一部抜粋)
多職種での連携と丁寧なケア
- 業務フローの再定義で役割分担を可視化。インカム導入により一人行動時も安心感が生まれ、新人職員の不安が解消した(甲州ケア・ホーム)
- 多職種のアセスメント視点を統一し、組織全体の能力が向上。事故数が月平均16回から4回へ激減した(ふじ苑)
現場の「対話」から生まれた組織の変化
- 経営層がサポートに徹し、現場主導で改善を推進。結果、疲弊を感じる職員が7割から3割へ激減し、自律的な組織へと進化した(奥湯村園)
アナログの準備を踏まえたテクノロジーの効果的な活用
- インカム導入と標準化で「人を探す時間」を8割削減。対話を重ねる中でリーダーが自発的になり、目標を共有する組織へ変化した(あさひホーム)
- 独自のカンファレンスシートを共通言語化。無駄な訪室や不安が解消され、職員自ら改善案を出す「主体的な組織」へ進化した(つる)
「負担の軽減」と「働きがいの向上」の好循環
- 「優先順位の明確化」とカメラ導入で無駄な訪室を軽減。利用者の睡眠の質向上と、データに基づく根拠あるアセスメントが可能になった(かのん)
- 業務可視化とルール整備でタブレット利用を分散。全員の休憩確保に加え、散歩の再開やマンツーマン教育といった「本来あるべき質の高いケア」へ繋げた(カインドネスケア)
- 「職員探し」が1日7回から0.2回へ激減。役割分担とインカムで生まれた時間を活用し、職員自らが現場を良くする活気あるチームへ進化した(カラダラボ南アルプス)
モデル事業所の経営層様・管理者様からの声のご紹介
昨今の全産業における人手不足感は深刻な問題であります。現在私どもの運営する介護老人保健施設もまさに職員の確保に四苦八苦している現状です。また最近の日本の出生率も将来にかけての唖然とする数字がメディアを通じて発表されています。
これからの老健の運営を考えた時、この問題は経営をまかされている者として避けては通れません。そんな時に介護施設に対する国、県よりのICT機器導入に関する補助金を知りました。
私としてはまさにこの時と思い、ご利用者様のますますの安全と現場職員の苦労を少しでも和らげたく現場職員と話し合いの上、補助金を活用させて頂く決心をいたしました。
ICT導入後まだ日が浅いわけでありますが 現場職員の声を聴きますと
1)情報共有が安易になった→業務時間の短縮
2)入所者様の夜間の動きがより把握できる
3)無駄な動きが無くなった→業務時間の短縮
4)危機管理能力が高まった 等
概ね現場職員に大変好評を得ています。
これからもご利用者様の一層の安全と、現場職員の更なる労働環境改善のため法人として出来る限りの力を尽くす所存です。
最後になりますが、今回のICT導入にお力添えをいただきました山梨県当局、社会福祉協議会の皆様をはじめ 関係各位に心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
当施設では、令和6年度からテクノロジーを活用した業務改善に向けた準備を開始し、本年度「テクノロジーを活用した事業効率化モデル施設」に選定いただいたことを機会に、見守りカメラ及びインカムを導入することができました。
今回の機器整備により、職員の働きやすい環境と利用者様が安心して生活いただける環境整備が大きく前進したと感じております。
また、今回の事業を通して生産性向上委員会をはじめとする職員全員が自ら働く環境について見つめ直し、協力しあいながら、「利用者に対する丁寧なケアを実践する」という目標に向けた課題解決プロセスを実践したことも非常に大きな成果であったと思います。
先進的な機器が次々とリリースされていますが、介護サービスの主体はあくまで現場で働く一人ひとりの職員です。今回の取組を課題解決のモデルケースとして、山積する課題に対する取り組みを前進させ、「利用者様とそのご家族の笑顔あふれる施設」を目指していきたいと思います。
今回、伴走支援でTRAPE様に関わって頂くことで、業務の棚卸しや課題の見える化を通して、真剣に職員一人一人が現在の課題点を見つめ直す良い機会となりました。
導入当初は私が旗振り役で進めようと考えていましたがやはりそうではなく現場主導で業務改善に取り組んでいくことの大切さをあらためて感じました。
今回の成果としては、リーダーのコメントにある通り、まずは精神的な不安緩和や事故等の未然防止につながることが実感できたことが成果だと思います。
今後はバイタルやセンサー検知、カメラなどの情報からいかに事故未然防止等につながるかを検証し、職員全員が標準化された対応により、利用者様の安全安心な暮らしを担保しつつ、職員のさらなる負担軽減につなげ、より一層業務効率化とサービスの質向上につなげていきたいです。
ここ数年様々な分野で「生産性向上」というキーワードが周知されてきました。弊社においても経営陣や管理職においてはその意味や目的について共有してきましたが、会社全体への周知やその風土づくりに苦慮する場面もみられました。
そこで弊社では、職員で編成する「業務改善チーム」を結成しました。これは、生産性向上の取り組みを単なる手段と捉えず業務課題から解決方法抽出、生産性向上への取り組みの流れを構築するものです。
今回の取り組みについても、弊社看多機チームを山梨県の伴走支援モデルとしてご支援をいただき、周知から導入までスムーズな取り組みを行う事ができ、スタッフ主導にて生産性向上に向けた取り組みが行えました。
生産性向上は行う事が目的ではなく、人材確保や職員の職場環境改善による負担軽減、サービスの質の向上、ご利用者様への還元に繋がる継続が重要だと考え、今後も法人全体で取り組んで参りたいと思います。
カラダラボ南アルプスの全職員は利用者様への関わりを大切にしており、サービスの質の向上心に溢れているチームである。このチームの想いを何とか支援したい、より高いレベルで実現させてあげたいと常日頃から感じていた。そのためには職員同士のコミュニケーションの充実と、利用者様と向き合えることが必要と考えていた。
半日型デイは時々刻々と状況が変化していく。その変化をリアルタイムに共有し、そしてフォローアップするための臨機応変な業務分担の調整がタイムテーブルをコントロールする要である。
今回の「インカム導入」により職員間の情報共有が容易化され情報の解釈行動の採り方の確認がリアルタイムに可能となりムダな時間が削減されている。加えてこの環境は職員の心理的安全性にも繋がり、不安や疑問を最小限に留められるので利用者様との関わりに安心感を持って出来ている。
さて今後、この心理的安全性は新職員への教育手段として活用する予定である。新職員OJTにおいて、特に独り立ちが始まる頃、遠隔による情報提供・助言・指示を行い、不安や心配を取り除いてあげたい。
カインドネスケアは、今年5月で開設9年目をむかえる「地域密着型特養」です。各種ICTを積極的に導入し、いわゆる三種の神器といわれる眠りスキャン・インカム・ケア記録システムを早期に導入しました。
だからこそ、“さらなる” 労働生産性の向上をめざすべく、今回のモデル事業に手をあげました。
国の指針、法人経営者の目指すもの、そしてトラピ様の支援、それらを総合的に理解するまでにかなり時間を要しましたが、おかげさまで、課題を抽出、分析することができました。
今回の成果を日常業務に活かし、業務の「ムリ・ムダ・ムラ」を減らしこれまでできなかった活動などを増やすことによって、入居者様へのきめ細かいサービスの提供ができるよう、業務の点検、検証、見直しをしていきたいと考えています。
当施設ではインカムの導入と業務フローの見直しに取り組んだ結果「人を探す時間」が従来と比較して約8割削減されるという成果が得られた。
現場を見て感じた変化は、職員同士の連絡が迅速になり、必要な情報をその場で共有できる場面が増えたことである。これまで介護現場では、職員が他の職員を探してフロアを移動する場面も少なくなかったが、インカムの活用によりそのような非効率な動きは大きく減少した。その結果、職員が利用者のケアに向き合う時間を一定程度確保できるようになってきている。
一方で、確保できた時間をどのようにケアの質向上やチームケアの充実につなげていくかについては、今後の課題である。また、職員間のコミュニケーションや情報共有の在り方についても引き続き改善が必要である。
介護テクノロジーは導入すること自体が目的ではなく、現場の業務改善と結び付いて初めてその価値が発揮されるものである。今後も職員の理解と協力のもと、継続的な業務改善に取り組んでいきたい。
最後に、本事業にご支援・ご助言をいただいた関係各所の皆様に心より感謝申し上げる。
今年度の生産性向上の取り組みでは、まず現場の声に丁寧に耳を傾けることから始めました。
「現場が何を改善したいのか」
「どのようなことに困っているのか」
「本来やりたいケアがなぜ十分にできないのか」
「不安に感じていることは何か」
など、職員一人ひとりの声から課題を抽出しました。
その課題に対して適切なICTとしてインカムを選択・導入できたことは大きな成果であったと感じています。ICT導入そのものを目的とするのではなく、「それを活用してどのようなケアや働き方を実現したいのか」を現場と共有し、方向性を明確にできたことはこの取り組みの大きな意義であったと思います。
今後は活用方法をさらにブラッシュアップしながら、現場が目指すケアの実現や職員間のコミュニケーション向上につなげ、「ここで働けてよかった」と思えるやりがいや働きがいのある職場づくりを進めていきたいと考えています。そして、生産性向上が質の高いケアにつながり、施設の強みとなり、地域から選ばれる老健を目指していきたいと思います。
山梨県様からのコメント
山梨県では、本事業を年2施設に限定して取り組んでおりましたが、令和7年度には年8施設に拡大して伴走支援を行うこととしました。
支援の内容としては、現場の負担軽減に資する介護テクノロジーを選定前の課題把握の部分から伴走し、適時適切なアドバイスと業務改善の取組みが継続するように支えるもので、例年どおりではあったのですが、一気に8施設に拡大したことで果たして年間を通じた支援ができるのか、という部分で不安がありました。
(株)TRAPEさんは、令和7年度の本県の介護生産性向上総合相談窓口業務のアドバイザーを務めていただき、本モデル事業においても伴走支援を担っていただきました。
本モデル事業については、どうしても介護テクノロジーを冠するため、その導入に目が向きがちでしたが、まずは課題把握を正確に行い、その解決のためには何が一番適切かというアプローチをする中で、必ずしも介護テクノロジーの導入によらない解決策なども提案していただきました。
「準備8割」をキーワードとした徹底した導入前の準備への注力により、施設における事務負担も生じてしまってはいましたが、データに基づく根拠を持って将来的な負担軽減のイメージを共有いただくことで、現場の協力を得られており、どの施設についても必要な介護テクノロジーの導入を果たしていただきました。
導入効果が数字となって真に発揮されるのはまだまだ先ですが、施設の方からは成果報告を通じていずれも肯定的な発言が出ており、具体的な負担軽減が今後見られることが楽しみです。 今後も同様の規模でモデル事業を展開できるよう県でも十分な予算の確保や支援体制の充実を図ることで、現場の負担軽減を通じた介護生産性の向上が進展するように取り組んで参ります。
介護支援センター様からのコメント
介護支援センターは、介護生産性向上総合相談窓口として、事業所が抱える課題について相談を受け付け、解決に向けた支援を行っています。
R7年度は業務アドバイザーである、㈱TRAPEさんと介護テクノロジーの導入支援にあたり、8事業所をモデル事業所として定め支援いたしました。
モデル事業所は、デイサービス、特養、老健など、種別は様々でしたが、皆さんそれぞれの事業所がありたい姿を目指し、時に感染症や業務量の増加など、大変な場面もあったかと思いますが、事業所主体で取組を行えるよう伴走支援を行いました。
成果報告会では、各々のモデル事業所から、取組を行ったことにより「なんでも言いやすい雰囲気になった」や「多職種での連携が強まった」等の「準備8割」を行ったことによる素晴らしい成果を発表いただきました。また、アンケートの収集やマスターラインの見直し等の取組みを行うことは、一時的には生産性が低下することになりますので、リーダーさんはじめチームのメンバーの皆さんが苦労したこと等、個々の事業所の発表では、語りきれなかった部分もトークセッションでお話いただき、県内の今後生産性向上に取り組もうとしている事業所の良い参考になったのではないかと思います。
今後、窓口としてこの8事業所の好事例を県内事業所に周知し、生産性向上の取組につなげていきたいと考えています。








